---P3 <2021年度 第2回 バリアフリー講習会『障がい学生のキャリア発達支援”カカワリ”の意味』>   2022年1月17日に今年度第2回目のバリアフリー講習会を行いました。今回のテーマは『キャリア発達支援×障がいのある学生に対する関わり』に焦点を当てたものであり、小田原短期大学専任講師の杉中拓央先生にご講演をいただきました。キャリア発達支援というタイトルからは、就職支援という言葉を想像される方も多くいらっしゃるかと思いますが、キャリア発達支援とは、将来を展望しつつ、今現在の自身の選択や位置づけについて理解を深めることを支援するというものです。  そのような観点から、障がいのある学生への支援を行う者として、あるいは日々窓口業務などで関わる教職員としてどういったことについて意識しつつ、関わる必要があるのか、といったことについてお話をいただきました。  当日のお話の中でも、特に、そのような立場で関わる参加者に対し、I didn’t know anything but I knew I didn’t know anything. (私は何も知らないが、そのことを私は知っている)という言葉を挙げたうえで、学生とは対等な関係性を意識しつつ関わることが重要であることをお話しされていたことが印象的でした。  今回の参加者は、そのようなテーマからも教職員の方が多く、実際に参加いただいた教職員の方からは『自分の専門と異なる分野の新しい用語などについて学ぶことができました。学生支援については、共感できることばかりで、今までの考え方やアプローチでよかったのかなと講義をうかがい、(少し)安心しました。ただ、今後も、学生さんの個性に向き合いながら支援していきたいと思いました。一人として同じ人はいないことを常に念頭に置いていきたいと思います。』『キャリア支援=就業支援ではないということを改めて思いなおしました。キャリア、自分の人生を自分で決めていくためのサポートであることを再確認できました。滑走路の話は、そうか、と思いました。』といった感想などがありました。  また、参加者の方々からは、次年度以降のバリアフリー講習会に向けて、障がいのある学生との関わりにおいて必要な知見をより深めていきたいといったコメントや、障がいのある学生が実際に社会に出た後にどのように活躍しているのか、といったことについてテーマにあげてもらえると嬉しいというコメントもアンケートに回答がありました。次年度以降も皆さんから寄せられたテーマなどを踏まえつつ、バリアフリー講習会を行っていきたいと思います。是非、ご参加いただければと思いますので、よろしくお願いします。(益子) ☆ポスター☆ ☆講師写真=杉中 拓央(すぎなか たくお)氏☆  <コラム『広がった価値観』>  今や私にとって関わることが当たり前となったダイバー室ですが、入学当初はこれほどたくさんの学びの場となることは想像もできませんでした。  友達から教えてもらいその存在を知りました。最初は自分の学科も医療系だし、手話や支援に興味があるから行ってみようぐらいの気持ちで訪ねました。  もちろん手話や支援方法を学べたのはいい経験になりましたが、それ以上に関わることで新しい価値観や知識を知れたことが、私にとっての一番の財産です。  私は『障がい者』と『健常者』が互いの違いを意識せず、尊重し合う社会を実現するために、障がい者の社会参加を促進できる存在となりたいと思い、作業療法学科に進学しました。  とても大きすぎる目標であることは分かっていますが、このような場が増えることが、互いを尊重できる社会に少しずつ繋がっていくんだろうなと、ダイバー室は思わせてくれます。  ダイバー室はそれぞれが思っている意見を共有できる場であり、さらにそれを互いに理解しようとし、新しい価値観として受け入れようとする方々がたくさんいらっしゃいます。そんな素晴らしい方々と出会え、刺激をもらえることがとても幸せです! 学生支援スタッフ 健康福祉学部作業療法学科1年 三浦 琉奈(みうら るな) ☆本人写真☆ <コラムダイバーシティとスポーツ ~スポーツ報道における女性の描かれ方~>  東京オリパラに続いて、北京で冬季オリパラが開催されました。個人的には、女子カーリングチームをめぐる報道に注目していました。  前回の平昌大会では、銅メダルという成績以上に、北海道なまりの『そだねー』や、試合中の『もぐもぐタイム』がクローズアップされるなど、アスリートとしての側面よりも『女性らしさ』『かわいらしさ』に焦点化した報道が多く見られたことが印象に残っています。  一方で今回は、強豪チームと紙一重の戦いを続けるアスリートという描かれ方が主流となっていたように見受けられます。その結果、ドラマチックな予選リーグの展開が一層際立ち、銀メダルという結果だけでなく、各選手のアスリートとしての側面や、カーリングという競技の魅力が伝わるような報道になっていたように感じられます。  もちろん、アスリートの意外な一面を伝えることにも需要はあり、それなりの意味もあるでしょう。しかし、それが女性アスリートの側に多く見られること、そしてその多くは『かわいい』『美しい』『女性らしい』など、見られる存在としての女性を強調する男性側の視線であることなど、ジェンダーに起因する上均衡が強くみられることもまた事実です。  東京オリパラにあたって、IOCは『スポーツにおけるジェンダー平等、公平でインクルーシブな描写のための表象ガイドライン』を公表して、こうした表現への配慮の方法と具体的な取り組み事例を紹介しました(注1)。もちろん、すぐにすべての表現が変わるわけではありませんが、このガイドラインをきっかけに、メディアでのアスリートの描き方について、メディアを作る側も、それも見る側もジェンダーの視点から捉え直し、よりインクルーシブな伝え方、描き方を目指すことが期待されます。(藤山) *(注1)…『スポーツにおけるジェンダー平等、公平でインクルーシブな描写のための表象ガイドライン(日本語版)』https://www.tokyo2020.jp/ja/unity-in-diversity/IOC_Portrayal%20GuidelinesJP%20.pdf